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    2008

04.02

お仕置き・57

第一部・琴音・1(夫)を先に読む
第二部・琴音・8(義母)を先に読む
第三部・琴音・17(義父)を先に読む

★琴音・24★ 


 自分の足もとにくたくたとくず折れて、ぼんやりと視線をさまよわせている妻をみつめながら、智也は、この「しきたり」とやらは、いったいどこから来たのだろうと考えていた。
 おそらく、最初のはじまりは、単純に酒席の酒肴のようなものだったのではないだろうか。どのような美辞麗句で、飾りたててみても、この行為が男の嗜虐への欲求から産まれたものではないと言えないだろう。
 もっと昔には、確かに、刑罰としての行為だったのかもしれないが、今現在の曖昧な「お仕置き」の在り方から察するに、どこかで、形骸化してしまったに違いない。
 男たちの欲求から産まれたこの行為が、明確に今のように「しきたり」としての体裁を整えたのは、まだ、そんなに昔の事ではなかった。智也の祖父母の時代だったからである。


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 琴音に告げていない事がひとつあった。今日の日に招かれている親族以外の男たち。その男たちの先の枝葉の先にも、河野の家にあるような隠されたいろいろな習慣がいくつも網の目のように広がり、それは、他の地方の旧家とも重なり、日本全国に妖しく潜み続けている事である。
 智也も、それらの宴席に侍る機会を何度か得ていた。中には、河野家のように、形ばかりの「性の儀式」とは、無縁の様相を示している家ばかりではなかった。いや、むしろ、あざといまでに無残な加虐の行為が連なった模様を成す織物だったと言えよう。
 だが、絶対に表に見せてはならない秘密を共有しているという事が、それらの家の結びつきをより強固なものにしていた。そして、そのつながりが多くの家の経済的な結びつきを側面から援護していたのである。


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 河野の家をその模様へ組み込んだのは、智也の祖父だった。その必要があり、家のために自分の妻を、娘を、差し出したのだ。だが、それだけでは済まなかった。家族を犠牲にしたと言えば、むごいありようだったかもしれないが、連なりに入りこむ事は、加虐の連鎖に自らが繋がれる事でもあったのだ。
 一度味わった、背徳の美酒が、男たちを引きつけがんじがらめ取り込み、女たちを蕩けさせていった。その事について、父や母がどう考えているのかは、分からないけれど。自分がそうである事は、智也自身にはよく分かっていた。分かっていて愛する者を引きこんだ。


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 まだ、もっともっと若く、何も知らなかった頃に、他の家の宴席に招かれて行った日。河野の家になかった、性としての儀式を目の当たりにした時、自分がそれを嗜好する人間なのだと思い知らされたあの日。
 もしかしたら、家を捨て、名を捨てて、違う人生を歩めるのではと、模索した日々。忌わしく振り棄てようとしながらも、結局は、忘れられず、繰り返さずにはいられなかった加虐の行い。
 後悔しても、もう遅い。琴音に、違う道を行けと言う事が出来なかった。遠ざかり、幸せになれと言えなかった。琴音を自分の腕の中に抱き締めたかった。痛めつけると分かっていて、まやかしの誘いを仕掛けずにはいられなかった。
琴音を愛していた。


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 すっかり汗に濡れ、ぴったりと張り付いた絹の着物の裾を乱れさせたまま、呆けたように、智也の方へ視線をめぐらしていた琴音が悲鳴をあげた。後ろから近づいてきた智也の母が、呵責せずに、彼女の、身体を覆っていた着物をしっかりと結んでいた伊達巻きの結び目を素早く解きほどいたのだ。
 しゅるしゅるしゅるっと絹が鳴る音が響き、帯は素早く抜き取られて行った。はらりと、着物の合わせ目が緩み、琴音は生き返ったように、とび上がってぞの前合わせを抑えた。

つづく
Category: スパンキング
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    2008

04.01

お仕置き・56

第一部・琴音・1(夫)を先に読む
第二部・琴音・8(義母)を先に読む
第三部・琴音・17(義父)を先に読む

★琴音・23★ 


 晒された素肌に夫の掌が直に触れてきた。その様を見られているという事実に、琴音は身もだえした。恥ずかしい。恥ずかしい。いやいやいや・・・。智也の手が伸ばされて、必死にすくめている琴音の顎を持ち上げた。汗ばみ、遅れ毛を貼りつかせて、眉を寄せ、歯を喰いしばって真っ赤になっている琴音の顔が、皆の前に晒しあげられる。智也は身体を半身に、彼女の顔がより、皆に見えるような位置へ動いた。
「さあ、泣き顔を見せてあげないと、みなさんは、それを見に来ているんだよ。」
 低く、ほとんど息だけの夫のささやき声に、一層恥ずかしさが込み上げてきて、琴音はいやいや・・・と、頑是なく首を振った。部屋にため息が満ち、夫の言う事が本当だと身にしみて分かる。
 だめ、だめ、だめ、だめ、見ないで。いやいや、見ないで。琴音は、ただただ、首を振り続けていた。智也は彼女の顎を掬いあげた掌をそのままに、反対の手を振り上げた。
 そして、むき出しの彼女の尻に、51打目の打擲が振り下ろされた。
 
 ばっしいいいいいいいぃいいいいいぃん!!!!


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「きゃああああああああああああああ!」
 たった一枚、肌を覆っていたのはその一枚だけだったのに。それを取り除かれた事が、琴音の心に動揺を呼んでいた。自分の受けている行為を支えていた言い訳があっという間に崩れ去り、作り上げていた集中が途切れてしまった。
 その事が、一枚の布と言うだけには留まらない強い痛みとなって、彼女に襲いかかってくる。叫んでしまった事が、それに輪をかけて、意地も張りもあっという間にガラガラと崩れて行った。

ぱああああああああああああああんん!!
「ひいいいいいいいいいいいっっつう!」


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 もちろん、最初の50打を琴音が耐えきったのは、布一枚に守られていて痛みが無かったせいではない。だから、すでに彼女のお尻は充分に痛めつけられていた。手慣れた智也の打擲は、回を数える毎に、膨れ上がり腫れあがった彼女の身体に響く。
 こらえようとしても、身体は跳ねあがり捻じれ、逃れようと勝手に動く。やめて、もう、許して。我慢できない。耐えられない。琴音の頭の中は、悲鳴と哀願でいっぱいだった。
 智也は顎を持ち上げていた手を彼女の背中に廻して抑えつけなければいけなかった。ついには、右足を彼女の足に絡めて、身動きが取れないようにする。


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 半身になっていた身体の方向を変えて、今度はわずかながら正面にお尻がよく見えるような姿勢になった。一打毎にたわみ、波打つ打撃に晒されている彼女の真っ赤なお尻。
 一心に打つことに専念していた智也だったが、彼女の悲鳴が泣き声になり、掠れて来ると、さすがに、居並ぶ客の方を伺わずにはいられなかった。そこには彼女の母親も来ているのだ。智也のはばかるような視線を受け止めた琴音の母は、そっと顔をそむけると、ついっと立ちあがって夫とともに部屋を出て行った。
 花嫁の両親は、最後まで見届けない事も、すべて最初からの取り決めであった。あらかじめそう決まっていたとはいえ、智也はほっとした。
「ありがとうございます。」そして、心の中で義母に詫びた。この先の場面は、さすがに彼女の両親には見せたくないのが智也の本心だった。


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「あああああぁぁぁぁあぁん・・・。」
 琴音の悲鳴が舌足らずの子供のように、甘いものに変わっていく、あきらかに身体の反応が、変化し始めている。痛みは飽和状態になり、麻痺し始めているに違いなかった。彼女の身体も心も違うものに支配され始めていた。
 恥ずかしさや、苦痛以外の物が、彼女の中から溢れだしてくる。だが、それもあとわずかの事。掌で打つのとケインを使うのでは全く違う。突っ張る彼女が、夢を見ていられるのもあとわずかの事。
 座を覆っている、かたずをのんでいる男たち女たちも、いまや酩酊しているかのように、琴音の反応を見守っていた。

「100打、相務めましてございます。」

 智也の宣言と共に、力を失った琴音の身体はずるずると膝の上を滑り落ち、ペタンと床に座り込んでいた。


つづく
Category: スパンキング
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    2008

03.28

お仕置き・55

第一部・琴音・1(夫)を先に読む
第二部・琴音・8(義母)を先に読む
第三部・琴音・17(義父)を先に読む

★琴音・22★ 

 「いつまでも、やってこないで欲しい。」
 琴音の願いをよそに、あっという間に当日になってしまった。
 義母に初めてお仕置きをされた日に訪ねてきた、崎山も、客の一人だった。別れ際に「別な機会にお目にかかるのを楽しみにしていますからね。」 と、言われたのは、あの日、既に崎山は、年に二度の会合で次回は何が行われるのかを知っていたのだ。今になって、改めて気がつく、琴音だった。
 あの日は、フレアスカートを穿いて、澄まし顔をしていた琴音だったが、今日は、白い絹の裾よけの上に、同じく白い羽二重の一重の着物を一枚まとっただけの姿だった。腰を締め上げている伊達締めも、白い綸子の生地で作られている。他には何も着ていないのだから、洋装に慣れた琴音は頼りなさに一層落ち着かない気持だった。
 彼女のこわばった頬は、緊張にそそけだっている。


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 八畳の和室が三つ連なる南側の部屋の仕切りの襖は取り払われて一続きの広間になっている。そこに、会席膳を左右に20席並べた席が設けられていた。すでに、一通り酒が廻り、酒席は期待と興奮を微妙に覗かせながらも、和やかな雰囲気になっていた。
 その席へ、智也に伴われて、琴音は部屋の下座から滑り入った。居住まいを直して、両手を付いて、頭を下げたものの、もう、顔を上げる事が出来ず、肩で息をするばかりだった。
 かっと、身体が熱くなる。頬に血が昇り、恥ずかしさにそのまま消え入りたい想いであった。智也の手が背に掛かり、顔を上げて立ち上がる事を促していた。
 必死の思いで起き上がると、男たちの顔、顔、顔・・・。そして、突き刺さってくるような女たちの視線に、琴音は、涙が盛り上がってくるのを意識した。

 その瞬間、母親の姿が目に飛び込んでくる。大事に育ててくれた、その母に恥をかかせてはならない。おそらくは、娘が打ちたたかれるのを見るのは、母にとってもきっと辛い事なのだから。
 身体を見られる事を恥ずかしく思う事は、この儀式を、性の儀式に貶める事。母に見せられないもののように、けがらわしく思う事。そんな考えでは、とても、母の前に進み出ることなどできはしない。これは、しきたり。河野家の大事なお披露目のしきたりなのだ。


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 力の入らない脚を叱咤しながら、智也に手を取られて、席の中央を抜けて正面まで行った。一番の上座に和風にしつらえた金襴でくるまれた低い椅子が置かれている。背もたれも肘掛もない座面だけが広くしつらえられた椅子。
 その横へ智也は、一旦、膝をついて座った。琴音もその横に慎ましく、控える。
「皆様、本日は、お忙しい中、私の妻となりました琴音の披露目の席にお集りいただきましてありがとうございます。河野家のしきたりに添いまして、妻の「仕置き」を皆様に、ご披露したく存じます。まだまだ、不慣れでございますが、夫として宰領訳を精一杯務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。」
 智也の言葉の間、とにかくこの間だけはと、必死に顔を上げていた琴音は、夫の言葉が途切れると、急いで頭を畳に付いた両手の上に深く伏せた。智也が立ち上がり、椅子に座る。琴音は手をついたままにじりより、夫の膝の上に身体を乗せかけた。


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 もう、だめだ。琴音はギュッと目を瞑った。ああ、もうだめ。どうしたってだめ。みんなに見られてしまう。お尻を叩かれる所を見られてしまう。
 智也の手が裾に掛かり、布がめくり上げられる。着物をたくしあげられた後は、薄い絹の布がぺらりと一枚身体を覆っているだけだった。身体の線はすでに露わで、素足の足が畳の上を滑る。
 いやいや、助けて。見ないで。誰も、見ないで。ああああああ・・・いやあああああ。琴音の気持ちを余所に、そろりと尻を撫で上げた智也の掌が琴音の身体に振り下ろされた。
 ばしいいいいいいいいいいいいんん!
 まるで、心を澄ませて柏手を打った時のように、部屋の中に音が響き渡り。琴音はびくんっと身体を逸らせた。


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 ばしいいいん!ばしいいいん!ばしいいいん!
 規則正しく、位置を少しずつずらしながら、智也の手は振り下ろされていく。一打。また、一打と。不思議と琴音は痛みを感じなかった。緊張の余りなのか、アドレナリンが身体中を駆け巡っているせいなのか。一打毎に、頭が澄み渡り、空っぽになって行く。
 打たれている場所に、世界が収束されていくかのように、拡散していた意識が一点に集中してくるのが分かった。
 熱い。打たれた場所が・・・。そして、身体中が。熱い・・・。琴音は身体が汗で濡れて来るのを感じながら、智也の膝にしがみついたいた。最初の50打がそうして、琴音の身体の上に打ち下ろされた。


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 頃はよし、と、みたのか。おもむろに智也が裾よけをそろそろとめくり上げ始めた。熱のこもっていた足元に、冷たい空気が流れ込み、琴音ははっと息を呑んだ。覆われていた、身体が、今、晒されようとしている。
 これは、儀式。お披露目の儀式。しきたりの儀式。琴音は何度も自分に言い聞かせ続けていた言葉を胸の内で繰り返した。だが、そろそろと這い上がってくる布の感触が、自分の置かれている位置と、姿を思い知らせて来る。
 収束しガラスが丸くなるように作り上げられていた琴音の世界が崩壊した。一気に羞恥が襲いかかってくる。あ、あ、あ、見られちゃう。お尻を見られちゃう。赤くなったお尻。掌の痕を浮かび上がらせて腫れあがったお尻を。

 いやああああああああああ・・・・。

つづき

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    2008

03.27

お仕置き・54

第一部・琴音・1(夫)を先に読む
第二部・琴音・8(義母)を先に読む
第三部・琴音・17(義父)を先に読む

★琴音・21★ 

 義母がこのしきたりの洗礼を受けた時は、今よりもずっと昔だった。おそらくは、短いスカートを着て人の前に足を見せるのすらはしたないとされてきた時代。それでも、義母も、その洗礼に耐え抜き、今、立派な河野の嫁として、しっかりと家に根付いているのだ。
 自分もやがて、息子を産み育てて、後の世代に、この「しきたり」を伝えていく日が来るのだろうか。気の遠くなるような先がまだある事に、琴音は押しつぶされそうだった。ただただ、智也の傍にいたいという娘らしい憧れと恋に彩られた結婚が、これほどの顎と開けて自分を待ち構えていたとは、考えてもいなかった。 


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 だが、琴音が恐れていたのは人前で肌を晒すことだけではなかった。この半年、夫との間に重ねてきた愛撫と性交の合間のスパンキングが、自分の身体を興奮させるようになってきている事に、琴音は薄々気が付いていた。
 痛みは、嫌で、耐えがたいものであるのに、自分から求めた事など一度もないのに、打たれれば打たれるほど、その後の交わりは熱く愛情に満ちたものになる。
 義母や義父に打たれる時には、欠片ほども欲情など思い浮かばないのだが、夫に打たれると思うだけで、じんわりと、身体が期待に震えるのが分かるのだった。そんな自分を他人の前に晒すという事は、云わば、夫とのセックスを他人に見せるような、そんな恥ずかしさも覚えてしまうのだ。


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 くしゃくしゃと顔をゆがめ、震える手を握りしめても、何の役にも立たない。その日はもう、すぐ目の前で、琴音は逃げ出すわけにもいかず、とにかく、みっともない真似を皆の前に晒す事のないように、ひたすら耐えるしかないのだ。

「ただ、回数がとても多いのよ。掌で100回。それから、パドルで50回。そして、最後はケインで25回。でも、心配しなくてもいいわ。すごく痛いけれど、かえって、最後の方は麻痺してしまって案外耐えられるものなのよ。それに、その回数になれば、もう、見栄や外聞なんてどうでもよくなりますからね。かえって思いっきり泣いて叫べばすっきりしますよ。みなさん、花嫁の泣き顔を見るために来てるから、琴音さんが泣き叫んでも、平気ですよ。」
 ほほほ・・・と、明るく笑う義母に、何とも返事のしようもなく、震え続ける琴音の身体を、智也はぎゅっと抱き寄せた。


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 夫に支えられて、何とか自室に戻った琴音はベッドの上にくたくたとくずおれた。足に力が入らず、立っている事が出来なかった。
「怖がらないで、琴音。大丈夫だよ。たった一日だ。その日はすぐ過ぎるから。」
 そんな事。そんな事、まるで、他人事のように!智也さんは、自分が、叩かれる訳じゃないから、そんな事が平気で言えるのよ。裸にされるのは私。痛い目にあうのも、私なのよ!琴音は、あふれてくる思いを智也にぶつけるように、相手の腕をこぶしで打った。だが、その言葉は口から出す事は出来ない。ぎゅっと、歯を喰いしばり、涙をこらえて、押し殺そうとする。
 その時、琴音は、初めて智也の瞳と、向き合った。
 大事な妻を他人に、見せなければならない妬心と溢れる愛情、どこか冷静な河野家の当主としての顔、そして、それらと同居している琴音を怯えさせる加虐の喜びの暗い光。琴音が嫌がれば嫌がるほど、明確に姿を現す雄の嗜虐の欲望が、夫の中にある。


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 ああ、私・・・。
 捕らえられてしまっている。この男のむごい愛情に。私を痛めつけるその手に。その想いに。その欲望に。嫁いで来る時には分からなかった。痛みの意味。分け合うこの恥ずかしくも恐ろしい運命の嗜好を。

 もう・・・逃げられないのだ。

つづく
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    2008

03.26

お仕置き・53

第一部・琴音・1(夫)を先に読む
第二部・琴音・8(義母)を先に読む
第三部・琴音・17(義父)を先に読む

★琴音・20★ 
 
 河野には、親族の当主達が全員、酒席に集う機会が、年に二度あった。6人ほどの血筋の者と非常に昔から付き合いのある親しい相手が3人ほど。その席には琴音の父も呼ばれてくる。その日に、新しい河野の家の嫁となる琴音を紹介するために、今回は、その男たちの妻も同席すると教えられたのは、もう、その日が目の前に迫って来てからの事だった。
 当然、琴音の母親もやってくる事になる。
 そして、その席で「お披露目」と称して、皆の前で智也が琴音のお尻を打つことになっているのだと説明されて、琴音は驚きのあまり、凍りついてしまった。


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 琴音の両親と智也の両親が四人ともそろう上に、結婚式でしか会ったことのない遠い親戚の男たちに、名前を聞かされたばかりの年配の男達。そして、その妻達の居並ぶ中で、お仕置きを受けないといけないなんて、考えただけで恥ずかしさの余り、その場で舌を噛んで死んでしまいような気持ちになる。

「いやいや、そんなの絶対にいや!」
 琴音は、その事を訴えようとぱくぱくと口を開けたが、言葉は恐ろしさと恥ずかしさの余り、音にならず、喉の所が締め付けらるように苦しい。何か纏い付いている者を払いのけるように右手で喉元をまさぐり、息を整えようと必死になるが、くらくらとめまいがするばかりだった。


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 智也の腕が、ソファに沈んで行く琴音の身体を支えるように、回される。琴音が何を考え、どう思っているのか等、もちろん、智也に分からない訳はないのだった。小さい頃から慣れ親しみ、愛情を分かち合って来て、これからの人生を共に、と結婚した二人なのだから。
 だが、それでも、智也は、琴音とは違う価値観を持っている。それは「お仕置き」が、河野の家にとって、何よりも大事な「しきたり」だと教えられて育ち、それを守って行く責任のある、次代の当主として当然の覚悟だった。
 「しきたり」を、受け入れられないのなら、ともに生きる事は出来ない。智也にそう伝えられ、覚悟をして嫁いできた。そして、この半年、必死に打擲を受け入れ、その価値観に同化しようと努力してきた琴音だった。


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 だが、それにしても、あんまりな事態ではないか。大事にしまいこんできた肌を晒し、痛みに耐える泣き顔を、親族ばかりか、赤の他人の男や女にまで晒さなければならないなんて。
 お仕置きのために下着を脱げば、当然一番隠しておきたい場所も、どうしたって見られてしまう。義理の父ただひとりににすべてを見られた時でさえ、あれほどつらく恥ずかしかったのだ。その席に、他の人間が同席する等考えるだけで、どうにかなってしまいそうだった。
 しかも、これから、ずっと親戚付き合いを重ねていく相手なのだ。記憶はどこまでも、琴音に纏わりつき苦しめるだろう。耐えられない。絶対に。琴音は、必死で智也の腕にしがみついた。


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 「琴音さん、恥ずかしがることなんて無いのよ。みなさん、このしきたりの事はよく御存じなのですからね。子供の頃におしめを換えてもらうようなものですよ。」
 ほほ・・・と、上品に笑う義母の微笑みを見ると、琴音はくたくたとその場に倒れてしまうような心持がした。なにを、どう訴えても、決して、決して逃げる事は出来ない。もう、それは、決まった事。動かせない事。ずっとずっと昔から変わらず、連綿と続いてきた「しきたり」で、義母もまた、それを乗り越えて今そこにいるのだという事が、じわじわと琴音を追い詰めていた。

つづく

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    2008

03.19

すけべなおじさん・3



ほんとの事を言わないとお仕置きだよ
って、おじさんは笑った
私の頬に触った
おじさんが何を考えてるか分かった
私の身体は思わず後ろに下がった

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押さえつけられ、引き据えられて
乱暴に、無理やり、自由を奪われて
叫んでも、泣いても許してもらえなくって




ほんとの事ってなんだろう
無理やりスカートをまくられて
素肌に触れて来る手のひらから逃れようと
必死に腰をくねらせる




いや いや どうして服を脱がせるの?
いや いや どうして裸にするの?




あっちこっち触られながら
あれこれと叱られながら
素肌に刻印を押されて行く




淫らな娘 淫らな心 抵抗せず受け入れる
心弱い娘・・・
脱がされても、打たれても、辱められても・・・




仮面は大人の重要アイテム
嘘は大人の常識の言葉
痛みの中で泣きながら覚えさせられた

あしたは、新しい「ほんとの事」を考えてこよう


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    2008

02.18

Cutiespankee

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以前、ご紹介した時に「もっと見たーい!」と、リクエストがあった「Cutiespankee」さんのサンプルを発見♪さやかのお気に入りの「鏡子」ちゃんも、最近、川上ゆうさんの名前で出演してるんだよー。知ってたぁ?(〃∇〃) てれっ☆バレンタインデーにはチョコレート作ってるシーンがあるよー♪もう、かわゆくってよだれもんです!ヾ(@⌒¬⌒@)ノ じゅるじゅる・・・

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    2008

01.31

お仕置き・52

第一部・琴音・1を先に読む
第二部・琴音・8を先に読む
第三部・琴音・17を先に読む

★琴音・19★ 

 痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い・・・
 琴音の頭はその言葉で埋め尽くされている。ケインはまるで焼き鏝をあてたかのように、彼女のお尻の上で弾けた。ひいいいいい・・・と、呼吸音を伴った悲鳴が続き。新たな涙がどっとあふれて来る。パドルで打たれた時と全然質の違う痛みに、琴音は、椅子の背にしがみついてひいひいと泣いた。
「琴音さん、姿勢を正して。」
 もちろん、何度もお仕置きを受けてきて、打たれるときは、崩れた姿勢のままではいけない事は知っている。彼女は、お尻の痛みを自分の頭から切り離して、姿勢を正す事を必死に思い浮かべようとした。


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 恐怖と、初めての経験が、彼女を混乱させていた。落ち着いていれば、耐えられたであろうケインの痛みは、泣きじゃくる彼女を完膚なきまでに引き裂いた。だからと言って、もう後戻りは出来ない。自分で決めた。回数が、歴然と自分の前にあるのだ。
 ひっくひっくとしゃくりあげながらも、彼女は自分のお尻を突き出し、両手を最初の位置へ戻した。お尻に再びケインが押し当てられる。突き上げる、痛みへの恐れが彼女の胃を絞りあげた。


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「きゃああああああああああ!!!!!!」
 琴音は痛みに泣いた。そして、叫んだ。何度も崩れ落ち。そして、立ち上がらなければいけなかった。一打事に、増していく、身体に喰い込むような痛みに、勝手に身体は身もだえを繰り返し、足はばたばたと跳ねまわった。痛い。我慢がならない。痛い。耐えられない。
 泣きながら、元の姿勢に戻る。ぐちゃぐちゃになった顔を拭い、もう一度、そして、もう一度。10回。とにかく10回の間は・・・・。


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 10回目が終わった時、琴音はへたへたと座り込み、わんわんと声をあげて泣いた。叔父は、元の椅子に戻って、琴音が泣きやむのをじっと待っていた。しゃくりあげる声が小さくなり、やがて途切れた。10本の蚯蚓腫れを刻んだお尻がひりひりと痛む。

「琴音さん、顔を洗っていらっしゃい。」
「はい・・・。」
 琴音は、ふらふらと立ちあがり、たどたどしい足取りで部屋を出て行った。


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 洗面所で何度も顔を洗い。鼻を噛んで琴音は髪の毛を整えた。腫れた瞼を冷やして落ち着いてくると、いくら痛かったとはいえ、あそこまで泣く事は無かったのではないかと思えてきた。自分の態度が恥ずかしく、スカートのしわを伸ばしながら、そっとお尻を抑えてみる。燃えるように熱く、ひりひりと痛むそこは、今までとは全く違う痛みだった。
・・・・顔を洗っていらっしゃい。
 叔父の声が聞こえたような気がして、戻ってくるように言われた事を理解した琴音は、自分が脱いだショーツも置いて来てしまっている事を思い出して、慌てて叔父の部屋へ戻って行った。


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 叔父は、椅子に座ったまま待っていた。ケインは最初の場所に静かに置かれている。琴音が脱いで畳んだ下着は椅子の端っこに乗せられたままだった。そして、今日の最初に琴音が入ってきた時と同じように、叔父が振り向いた時、琴音は『お仕置き』が、終わっていない事に気がついて愕然とした。
 一人前の女性として振舞うように・・・そう教え諭されたのに、まるで、子供のように泣き喚き、全く耐えようとしなかった自分自身を振り返り、叔父の前に出る一歩一歩の足が震えた。足を前に出す度に、へたへたと、座り込みたいような心もとさが這い上がってくる。叔父に、再び同じ椅子に座るように手で示された瞬間、琴音は、自分が自分に課した『お仕置き』が、用を為していなかった事を認めざるを得ない、悔しさに唇を噛んだ。


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「お、叔父様・・・。」
 しゃべろうとして、また、引っかかってしまう。息を吸い込みお腹に力を入れて、ああ、そう、どうやって声を出すのか、よく考えて・・・。
「叔父様、みっともない真似をしてしまい。申し訳ありませんでした。・・・もう一度・・・・」
 押し出す言葉が、怯えに、消え入るようにだんだんと小さくなる。勇気を振り絞って、ああ、でも、もう一度なんて、耐えられない。耐えられないわ。
「・・・もう一度お願いいたします。今度は、ちゃんと我慢いたしますから。」
 叔父の眉がひょい・・・と、上がった。
 しばらくの空白の時間の後に叔父は、持たれていた椅子の背から身体を起こすと、静かに問いかけてきた。

「何回でしょうか?琴音さん」

 もう一度、は、ただ、繰り返せばいいものではない。必要なのは自分自身に問いかける事。自分自身を正す事。自分が耐えられる限界を見極める事。琴音は、ひりひりと焼けるお尻を思わず抑えた。耐えられる回数は?そして、自分にとって必要な回数は?

 すくむ、気持を堪えながら、両手を握りしめて、琴音は必死に考えていた。



琴音・第三部終了



続く・・・



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